高齢の親と、アフターコロナのニューノーマル

非常事態宣言期間中になんとも中途半端な微熱が3日半続き、必要至急の通い介護の外出を自主的に自粛するしかなくなったゆず吉です。咳もなし、不調は微熱による全身のだるさと、激しい腰痛だけ。しかもゴールデンウイーク中でかかりつけ医すら休診。診療所が開くころにはすっかり平熱で体も元通りだし、風邪の自覚症状もまるでなし。さりとて陰性だという確証もなく、県をまたいだ移動どころか、肺や心臓に持病がある高齢者を訪ねるなどできるわけがありません。介護職にある方々同様、親の通い介護も必要至急。コロナウイルス陽性・陰性が確認できるような検査もぜひ認めてもらいたいものです。

さて、コロナウイルスのおかげで、ニューノーマルという言葉が生まれました。誰もが知らない新しい時代がやってきましたが、高齢の親がこの新しい時代にどの程度ついていけるものか、この3か月の親の様子を見ていて思うことを書き留めておきます。

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高齢の親の情報収集方法を確認する

今回、多くの世代でいちばん多い情報収集方法はインターネットだったのではないかと思います。かたや、高齢者の情報源はテレビだと思います。

ほとんどの局は朝から夕方まで情報番組で、コロナウィルスの話題を繰り返しています。もちろんその中には、生活する上での注意喚起や、高齢者への呼びかけなどもありますが、生活するうえで人の手助けが必要な高齢者には不親切な点が多々あることに気が付きました。

まずは、話すスピード。速すぎます。

また、数分ごとに話題が変わる展開についていけません。ゆず吉・父はほとんど一日中テレビの前に座り、テレビを見ていますが、習慣でテレビをつけているだけ、音を出しているだけ、なんとなくテレビの前に座っているだけです。例えばマスクの使い方の注意喚起の後に、芸能人や政界のスキャンダルなどが報道されます。一方的に流れる多くの情報から自分に必要な情報を正しく拾うことが難しい高齢者もいるのです。

カタカナ言葉も多すぎます。パンデミック、ロックダウン、オーバーシュート、ステイホーム。PCR検査と報道されたところで、「ぴーしーあーる」が頭の中で「PCR」と置き換えられません。予想通りゆず吉・父は、3か月たった今でもこうした新しいカタカナ言葉を何一つ覚えておりません。

今回、市が防災無線を使い、ゆっくりしたスピードで、カタカナ言葉を避け、正しく重要なことだけを繰り返し放送しておりました。放送内容は、非常によいものでした。ただし、聞こえていれば、です。残念ながら、耳の遠いゆず吉・父には聞こえません。

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必要なことを理解できているかを確認する

一人暮らしの高齢者や老老介護中の高齢者は、情報の入手だけでなく、その理解も遅れがちです。必要なことを正しく知っているかどうかも周囲が確認する必要がありそうです。

4月はじめのことです。テレビでも再三再四、「帰宅したらまずは石鹸で手を洗おう」と繰り返し、4月に入ればおそらくそれが浸透したころかと思います。ゆず吉・父の(悪い)例ですが、マスクはポケットに入れ、店に入る直前まで使用しません。ポケットにいれた使い捨てマスクを何度も使っていたようです。スーパー店内では、当然素手ですが、食品を手に取り、見るだけで、棚に戻します。クレジットカードは持っていませんので、財布を出し、指を舐め、札を出し、レジ係に渡します。帰宅したら手も洗わず、食品をそのまま冷蔵庫にしまおうとしました。

都度注意をしましたが、果たしてどのくらい記憶に残ってくれたかはわかりません。注意をすれば面倒がって、口うるさいと煙たがられます。それでも、長生きしたいのであれば頑張ろうねと言い続けるしかありません。

キャッシュレス決済 ~ クレジットカード

キャッシュレスも、アフターコロナのニューノーマル時代に必須となりました。

そこで、父にクレジットカードの家族カードを持たせてみました。父は自営業でした。少なくとも50年前は、自営業では容易にクレジットカードを持てせんでしたし、現金商売の商売人にとってはカードは必要な代物でもありません。父にとっては生まれて初めて手にするクレジットカードです。

はじめて手にして、少しうれしそうにしておりましたので、スーパー、個人商店の酒屋、そして植物の種が売っている店に行き、使わせてみました。

結果は・・・断念。

スーパーマーケットはサインレスだったものの、酒屋は紙にサインを求められ、日用品店では、暗証番号を入力させられました。使い方にバリエーションがあり、覚えられず、不安になってしまったようです。おそらく病院やタクシーでも暗証番号の操作が必要かもしれません。使いたいときに使えないようでは、あまり意味がなく、初めてのクレジットカードは1日で返品されてしまいました。

キャッシュレス決済 ~ 電子マネー

種類が多くなりすぎたキャッシュレス決済ですが、クレジットカードがダメでもまだ電子マネーがあります。

以下は、昭和の中頃まであったものにしか頭の中が追い付けないゆず吉・父の例ですが、どこかに似た親を抱えて苦労されている方もいらっしゃるかもしれませんので、参考程度にご覧ください。

比較的早くから普及していたSuicaは使えます。ただし、電車とバスに限ります。電車とバスに使うもの、と覚えているために、例えばコンビニでも使えると教えたところで、使えません。電車やバス以外でも使えるようになったという新たしいことを覚えていることができないからです。現在、チャージは駅の有人窓口か、バスの運転手に頼んで行っています。

少し前に、体調がよければ頑張って歩いていける距離にセブンイレブンがオープンしました。ゆず吉・父の家から歩いていける唯一の弁当を買える店です。オープンした際、買い物に便利なようにと、nanacoの使い方、チャージの仕方を覚えてもらいました。ここでのnanacoのチャージは自分で現金を機会に挿入する方法ではなく、有人レジで口頭でチャージしたい、nanacoで払いたい、と伝えることができますので、今のところレジのスタッフの助けでどうにか使うことができます。ただし、これも、この場所にあるセブンイレブンでしか使いません。通院する病院のそばにあるセブンイレブンでも使えるという理解はできません。

仮にアフターコロナで現金を自分で機械にチャージしないとならなくなると、この2種類の電子マネーですらゆず吉・父には使えなくなります。できないことが増えるということは、高齢者にとって心の傷になってしまいます。その日が今から恐ろしいです。

アフターコロナのニューノーマル

窓口業務を極力減らしたい、現金を触りたくない働く人の気持ちはわかります。キャッシュレス社会にしたいという政府の気持ちもわかります。ただ、それに本当についていけない高齢者の姿は見えているでしょうか?

介護保険の利用を抑制するために、高齢者にはできる限り自宅に住み、地域社会の助けを前提に自力で生活することも推奨されています。一人暮らしの高齢者や、老々介護はますます増えていきます。今回のような未知のウィルスが蔓延する社会でも、本当に地域社会は高齢者に助けの手を差し伸べてくれるものでしょうか?

ビフォー・コロナの普通すら追いつ付いていけていない高齢者が、アフターコロナのニューノーマルを理解できるはずもありません。ゆず吉・父も、そろそろ一人暮らしは限界ですが、相変わらず「俺の家」に執着しています。ゆず吉はシングル&一人っ子。ゆず吉・父にとっては家族が一人しかいないという特殊な事情です。家族の幸せのため、そして自分の健やかな長生きのために、そろそろ施設への住み替えを受け入れてほしいものです。

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