離れた場所に住まう親の医療費やオムツ代を自分の医療費控除と合算する

相変わらずの通い介護中のゆず吉です。秋にゆず吉・父の入院、年末・年始とドタバタが続き、落ち着けない日が続いておりました。そうこうするうちに、今年も確定申告の準備の時期です。

医療費控除は、年間の所得税を計算する際、10万円を超えた医療費を所得から差し引いて税金を計算してもいいという制度です。サラリーマンの場合、年末調整では行えず、確定申告でこの10万を超えた額を申告すると、所得税の還付を受けることができるというものです。

こうした医療費控除の制度は、介護をする側の働く世代であれば、すでによく知られたものであると思いますが、シングルの医療費は、よほど大きな病気でもしない限り年間10万円を超えることはそうはありません。 その医療費を、親の医療費と合算することはできないものか。介護が始まったばかりの方、これから介護に直面しそうな方に、当時のゆず吉が戸惑った点を挙げてみようと思います。

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扶養対象親族と生計一親族

年金収入が少ないため、離れた場所に住まう親をご自身の扶養に入れている方も多いことでしょう。子供の仕送りで親の生活が成り立っている方も多いかもしれません。子供の扶養に入ることを頑として拒否しつつも、年金収入しかないため、日常生活品や衣料品、食料品などのほとんどを、離れた場所に住まう子供がネット通販で送っていることもあるでしょう。

ゆず吉・父は、子供の扶養に入ることは「恥」だと信じているようで、今もってゆず吉が父を扶養対象とすることを頑強に拒絶しています。年金収入が低い親の場合、 離れて住まう親でもサラリーマンの自分の扶養控除の対象とすることができます。控除が増えることで、子供の所得税負担が軽くなるという制度があるのに、例えばゆず吉・父のようなプライドの高い親の場合、扶養にはならん!といわれてしまうと、介護者の子供には何のメリットもありません。

しかしながら、扶養控除対象の親族にしていなくても、子供が親の生活費を出している以上、子供にとって親は「生計を一つにする親族」です。この生計一親族という例に当てはまる場合、親の医療費を、自身の医療費と合算して、医療費控除を行うことができます。扶養控除対象の親族になっているかどうかの要件は問いません。

所得の低い後期高齢者の場合、2020年1月現在のところ、医療費の自己負担額はわずか1割ですが、入退院を繰り返したり、おむつを使用する寝たきりとなっている場合、自己負担している金額はかなりの金額となっているものです。

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医療費の領収書

病院には一人で行けるが、書類の管理がおぼつかなくなってきているという親も多いと思います。ゆず吉・両親は、ゆず吉が気づいたときにはこの状態でした。まずは医療費の領収書を紛失されないよう、領収書の回収方法を検討してください。

ゆず吉家では、母には母用の、父には父用の医療費領収書回収箱を自宅内に設置し、病院からもらったものはすべて入れるように、繰り返し、何度も何度も伝え、習慣にしてもらいました。

高額療養費決定通知書

医療費の領収書は比較的簡単ですが、困ったのが「高額療養費決定通知書」。

所得によって上限は異なりますが、医療費が一定額を超えると、高額療養費として還付があります。例えば2万円の医療費を病院で支払っても、1万円還付される場合があります。この還付された金額は、医療費控除の対象にはできません。2万円の領収書に対して1万円還付がある場合、医療費控除として申告できる金額は1万円となります。

困るのは、この還付額の計算が簡単ではないことです。高額療養費の還付金額は、対象となる医療費を支払った3~4か月後くらいに郵便で届きます。前後して、医療費を支払った本人の銀行口座に振り込まれます。確定申告に間に合わないのです。

秋~12月にかけて、この高額療養費の還付をうけそうな医療費の支払いを行った場合、還付額を計算し、差し引いてから医療費控除を行わなければなりません。または、確定申告に含めず、金額が決定した時点でどうしても医療費控除に含めたい場合は、もう一度申告を行うという作業を行わなければなりません。

ただでさえ介護者は忙しいのに、マイナンバーは何のためにあるのか?と腹だたしいことこの上ありませんが、現状、その程度の仕組みでしかありません。さすがに2度手間はうれしくないため、ゆず吉は、その分の申告をあきらめるか、還付額を多めに計算し(控除額を少なく)申告しています。

親の紙おむつ代

同じく親の介護に苦労する友人から、その友人の親の住む都内のある区では、おむつ代を6千円近く補助してくれていると聞きました。そんなゆとりのある自治体もあるとは!驚愕です。

寝たきりになると、このおむつ代、月およそ5千円~1万円はかかります。それだけではなく、おしりふき、歯磨きティッシュなどの口腔ケアグッズなど、ひと月の消耗品代を合計すると、かなりの額になってしまいます。

消耗品やおしりふきは残念ながら医療費控除の対象にはなりませんが、寝たきり高齢者の紙おむつ代は、医療費控除の対象となります。

まずはかかりつけ医に「おむつ使用証明書」を書いてもらってください。ただし、自費で5千円前後の証明書料金の支払いが必要となります。診断書同様、これは医療費控除の対象にはなりません。

自身で介護を経験しておらず、集めた情報だけで書かれている方のサイトには、おむつ代の領収書には使用者の氏名が書かれていること、などと書いてあるものもあります。はじめておむつ代を医療費控除にしようとした際、ゆず吉もこの情報には相当悩みました。すでに12月。1月にさかのぼってドラッグストアに領収書をもらいに行くわけにもいきません。

格安のドラッグストアなどで購入し「領収書」をもらうと、氏名と品名の但し書きは店員の手書きとなり、購入明細はもらえません。レシートの方がはるかに証明になります。何かが釈然としない…と思い、この点を税務署に確認したところ、風邪薬を購入したときと同様、レシート原本で問題ないということでした。つまり、いちいち領収書をもらい、名前を書いてもらう手間は不要だということです。

「医療費のお知らせ」

2018年分から、医療費控除が簡易になり、領収書の原本の提出が不要になりました。代わりに、医療費控除の明細書を作成し提出すれば足りるようになりました。ただし、領収書原本は自宅で5年間保存します。

医療費の明細書を自分で作成する代わりに、保険者から郵送されてくる「医療費のお知らせ」を使用することもできます。新しい制度であることもあり、ネットではこの情報を推奨するかのように書かれたサイトがあふれています。

ただし、この「医療費のお知らせ」、保険者にもよりますが、発送が遅く、2月中旬くらいにならないと手元に届きません。しかも、1~10月分までしかありません。ん怒る11~12月分は、さらに1か月後、確定申告が終わった後に届きます。「医療費のお知らせ」に含まれない医療費は、結局、明細書を作成しなければなりません。また、病院へ行く交通費も医療費として認められますが、交通費負担がある場合、「医療費のお知らせ」とは別に明細書を作らなければなりません。

便利なようで、あまり便利ではない「医療費のお知らせ」です。11-12月に医療費を使わない親であれば活用できますが、毎月の病院通いが必須である場合は、ゆず吉は別の方法を提案します。

医療費の明細書

自分の分だけでなく、生計一の親の分の医療費も控除申告もしたい場合、前述の「医療費のお知らせ」を待っていては、2月の末にドタバタになりかねません。その時点で親や自分が健康で何事もないとも限りません。ゆず吉は、このお知らせは当てにせず、親から都度回収する領収書を元に、自分で明細書を作っています。

明細書は簡単です。国税庁のホームページから、医療費集計用のエクセルのフォームがダウンロードできます。支払先の病院や処方箋薬局ごとに年間の合計額を集計します。

病院へ行く際に交通費がかかる場合は、公共の交通機関を利用した場合の交通費が医療費として認められます。忘れずに加えてください。マイカーのガソリン代や駐車料金は対象にはなりません。また、タクシー代は、どうしてもやむを得ないという合理的な理由があれば医療費控除の対象となりますが、電車やバスが面倒だから、という理由は対象外ですのでご注意ください。

じゃあ、どうする?

離れて住む親の医療費は、一定の要件を満たせば、自分の医療費と合算して、確定申告により医療費控除ができますので、所得税の還付があります。

それなりに手間はかかりますが、年が明けて、確定申告前にまとめようとすると、面倒になってやめてしまうこともあるでしょう。通い介護の交通費負担を少しでも取り戻すために、医療費控除のための準備は、毎月や、3~4か月ごとなど、計画的に明細書の作成のとりかかってください。3~4か月程度であれば、親子3人分でも、決して大した量ではありません。ゆず吉は、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始と、年3回に分けて領収書の整理と、明細書エクセルへの入力作業を行っています。

なお、自分の親が生計一親族として認められるかどうか、この事例でのタクシー代はみとめられるか、など、個別の事情については、ネット情報からの自己判断に頼らず、必ずお住いの地域の税務署にご確認ください。税務署の皆さんは大変親切です。事情に同情もしてくれますが、なぜダメなのかの理由も丁寧に説明もしてくれます。間違った申告をして失敗しないよう、 税務署も遠距離介護者の味方の一人と思ってください。

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