父の耳が遠いのを何とかしたくて補聴器体験をしてもらいました

シングル&一人っ子、週末介護者のゆず吉です。終わりが見えないものの、両親二人のダブル介護から、一人減り、ずいぶん楽になりました。

これまでは、ゆず吉・母一人に尋常でないほどに手がかかっており、母より程度の軽い父には、生きていくための最低限のことしかしてあげることができませんでしたが、最近になってようやく父の老いと不安を感じてあげることができるようになりました。

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聞こえ方の低下

通院に付き添った際、医師に聴力の低下を指摘されました。病院で数回名前を呼ばれても、まったく聞こえないために反応できなかったり、医師に何を聞かれても一度で返事ができないことが多く、病状や投薬の説明をしても「わからない」ということが増えたそうです。そして、医師から、補聴器の使用を考えてみるように勧められました。

もう何年も前から父の耳が聞こえづらくなっていたのは知っていましたが、必要なことは大きな声で話しかけることで何とかなっておりました。

ほとんどの高齢者は耳が遠くなるものだと思っており、仕方がないものだとしか思っておりませんでしたが、なんと、耳が聞こえづらいと、認知機能の低下につながるというのです。

確かにこれまでも必要でないことは詳しい話をしてあげなかったり、母の相手でくたくたに疲れていて大声を出す気力もないときは、父とは会話をしていませんでした。

耳で話を聞き、脳が反応し、聞こえた話に対して話を返すことで、コミュニケーションが生まれます。聞こえないことが増えてくると、返事をすることも会話も減り、脳に入る情報量も減りますので、考えることも減り、ひいては、使わない脳の部分が増えてしまいます。使わなければそれだけ脳は衰えていきますので、認知症のリスクが高まる、ということでした。

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老化による聞こえ方低下のサイン

音は、人の内耳の中にある数万本の毛(有毛細胞)を揺らし、その振動を電気信号に変え、脳に伝えることで聞こえます。その有毛細胞の毛は、加齢とともに減少するため、齢を重ねるほどに聞こえづらくなるという現象が起きるようです。

老化が原因の聞こえ方の低下には、わかりやすいサインがあります。

① 聞き返すことが増えてきた

耳をふさいで人の話を聞いてみてください。人の声がくぐもって聞こえます。聞こえづらくなってきた高齢者の耳には音がそのように聞こえているのだそうです。はっきり聞こえないために、「え?」と聞き返すことが増えてきます。

② 音によって聞こえていたり、聞こえていない

高齢者の多くは、高い音から聞こえが低下してきます。 蚊が飛んでいる音は全く聞こえないようなのに、低い声でひそひそ言う悪口は聞こえていたりします。テレビが聞きとりづらくてボリュームを大きくするのに、音が大きくてうるさいということもあります。

③ 言葉を誤解して会話が進む

「いし」「うし」「あし」「はし」「しゅし」微妙に違う音が聞き取れず、誤解から、会話が成り立たないことが出てきます。音による周波数の違いが聞き取れなかったり、一定の音域の音が聞こえなくなっていることもあるようです。話が食い違うので、もしや認知症?と勘違いされてしまいそうですが、単によく聞こえないだけのことも多いようです。

④ 早口が聞き取れない

芸人さんが多く出演するテレビのバラエティー番組は、まったく聞き取れていないようです。皆さん、早口ですものね。これは、内耳で有毛細胞が減ってしまったことにより、情報を脳に伝達する量が減ってしまったり、スピードが遅くなってしまっていることによります。もちろん脳の機能低下もあるかもしれませんが、 ゆず吉・父は昔の時代劇くらいのテンポであればテレビを楽しんでいるため、内耳機能の老化による聞こえの低下が原因である可能性が高そうです。

高齢者は時代劇が好き・・・と思っておりましたが、どうやら、視聴できる番組が限られるのでは?と思うようになりました。

本人はどう感じているか

本人がどの程度不便に感じているかによりますが、ゆず吉・父は、会話に参加できないことで不安や疎外感を感じることがあるようでした。複数人でわいわい話している際は、何の話かなぁ、なんで笑っているのかなぁ、といつも思っていたというのです。話というものはどんどん進んでしまいますので、話を振られた時だけ「え、何?」と聞き返していたようです。

そのせいか、父の友人たちからは、そろそろ認知症か?と思われていたようですが、どうやら聞こえづらいだけで、今すぐに認知症のリスクがあるというわけでもないようです。ただでさえ一人暮らしですので、コミュニケーションが減ってしまうのは何とかしないといけません。 そこで、医師からのアドバイスもあり、補聴器の検討をしてみることに致しました。

補聴器体験の前には聴力検査をする

補聴器も、昔と違ってずいぶん小さくなりました。便利そうですが、結局は本人次第というところはありますので、まずは試してもらうしかありません。最近は、眼鏡屋や家電量販店などでもよく補聴器の体験会をしています。 おりしも敬老の日前後。補聴器体験はシルバーウィークのお決まりのイベントのようで、あちこちにキャンペーンの旗がたっておりました。

補聴器は、値段に相当な幅があります。ゆず吉が父を伴って訪れた店は眼鏡屋ですが、そこでは比較的高級な機種が販売されておりました。片耳約20万~50万。ひぇ~!と驚いてしまいましたが、そこは顔に出さず、とにかく興味深々という顔で、神妙に説明を伺い、体験にこぎつけました。ありがたいことに、高齢者本人がわかるようにゆっくりと説明を行ってくれましたが、その分、時間もかかってしまい、ちょっとだけ体験させてもらえればよかったのですが、かれこれ2時間は店にいたと思います。

まずは、今現在の聴力の検査を行いました。音の高さ、つまり、周波数ごとに聞こえる・聞こえないを計測します。また、聞き取りづらい音(「は行」や「さ行」など)がどのくらいあるか否かも検査してくれます。父への説明にも時間を要したからだとは思いますが、合計20分くらいかかったでしょうか。父の場合は、高い音はほとんど聞こえておらず、また、聞き取りずらくなっている言葉もかなりの数がありました。本人や家族がその検査結果を見て、納得をしてくれれば、補聴器の装着を受け入れてくれるだろう、というのが店の販売戦略のようですが、体験でこれだけ詳細に検査してもらえるのは逆にありがたいです。

補聴器体験をする

高位機種は、音の聞こえ方に詳細な設定ができます。例えば、テレビのボリュームはつまみが一つしかなく、大きくする・小さくする、これだけしかできません。

高位機種の補聴器は、例えばステレオやパソコンのボリュームのように、音域によってつまみがあるため、聞こえている低い音は音量を上げず、聞こえていない高い音だけのボリュームを上げることができます。なるほど、これではお値段も高いわけです。

検査でわかった聞こえない音だけが聞こえやすくなるようにパソコン側で操作し、その情報を補聴器に入れてから、ようやく装着です。

「頭の中がガンガンする」「吐き気がする」 これまで長いあいだ聞こえていなかった音が、ノイズも含めて、急に大きく聞こえてしまうのだそうです。慣れないうちはこのノイズばかりが目立って大きく聞こえしまう方もいるそうです。

さらに高位機種には、このノイズを取り除いてくれる機能がついているそうです。ここまでくると、片耳およそ50万。耳に小さなコンピューターをつけているようなものですが、予算に余裕がある方には、健康のためにはやはり高位機種にかなうものはないでしょう。親のお金は、親自身のために使ってもらうのが一番です。こちらの機種もしっかり体験させてもらいました。

両耳で100万の補聴器は雲の上の話ではありますが、久しぶりに父娘で外出し、たっぷり2時間、耳のことを学び、補聴器体験もさせてもらいました。思いのほか楽しい敬老の日となりました。

じゃあ、どうする?

体験した結果、補聴器は頭がガンガンして嫌だというので、結局、以前と何も変わらない日々が続いております。ただ、今回体験させてもらえたおかげで、どのような音が聞超えないのかがわかり、また、つじつまが合わない会話は認知症が原因ではないということもわかりました。

補聴器の中には、テレビのボリュームのように、音量つまみが一つしかない分、10万以下の製品もあります。機会があれば、ぜひそちらも試してもらいたいものです。

補聴器をつけてもらえるようになるまでは、周囲の人の気遣いに頼るしかありません。もしご両親や身近な高齢者が「え?」と聞き返すことが増えてきたら、大きな声で、ゆっくり・はっきり、そして、後ろや横からではなく、顔が見える正面に回って話してあげてください。

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